- 2011.08.29
- 関の考え方
原子力発電の論点整理「第八回 他の発電方法 (2)火力発電 ②石炭」
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※このシリーズは、今、議論されている原子力発電の今後の方向性を読者の皆様ご自身に考えて頂くべく情報を提供することを目的としております。
従いまして、このシリーズをご確認後、どしどし私のフェイスブックにご意見を頂きますよう宜しくお願い致します。
「石炭による発電」
1.概要
・1975年には、発電に使用するエネルギー資源のうち、4%を石炭で賄い、石油が最主力として58%を賄っていた(水力20%、原子力6%)。
・オイルショックにより石油の価格が急騰(第一次オイルショック 1973年、第二次オイルショック 1979年)、石油の代替に、石炭も利用。
・埋蔵量が豊富で安定的に供給が可能。
(年次別 石炭発電の割合)
1980年
5%
1990年
10%
2000年
18%
2008年
25%
2.可採年数122.0年
他のエネルギーより可採年数が長い(最長)。
(参考、前回ブログにも記載)
3.確認可採埋蔵量
石油
42年
天然ガス
60年
ウラン
100年
(1)総量
8,260億トン(2008年時点)
(2)国別埋蔵量
①アメリカ
29%
②ロシア
19%
③中国
14%
④オーストラリア
9%
⑤インド
7%
⑥ウクライナ
4%
⑦その他
18%
この国別数値からも判る通り、石炭埋蔵量は、政治的に友好国に豊富に埋蔵されている。4.石炭の輸入先 (財務省貿易統計 2008年)
(1)総輸入量
1億8,557万トン
(2)輸入先
日本は石炭を各国から分散輸入。特にオーストラリアが突出している。インドネシアが次いで2位。
①オーストラリア
62%
②インドネシア
19%
③中国
7%
④カナダ
6%
⑤ロシア
5%
⑥その他
2%
他※日本にも多くの炭鉱があったが、1970年代以降は輸入に頼っている。
5.問題点
①地球温暖化防止の観点からも、石炭の大量使用は要注意。
火力発電方式の中でもCO2排出量が最大<電源別CO2 排出原単位:kg-CO2/kWh)
石炭火力
0.943
石油火力
0.738
LNG火力
0.599
LNGコンバインド
0.474
※原子力
0.020
②個体のため輸送が不便。
以上
<次回のシリーズに続く>